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キエビネの群生

キエビネは別名「オオエビネ」とも呼ばれています。キエビネやオオエビネの名前からも分かるように、ジエビネと比較すると花が黄色で株や花が大きいのが特徴です。葉っぱは雑木の間からの木洩れ日を集めるために大きくなったみたいです。
エビネは日陰の植物だと思われますが、うす暗い環境で育てると株はやせて花はほとんど付かず、明るい日陰を好んでいるみたいです。
当園のエビネ植栽地には一本のヤブツバキが自生しており全体的にうす暗い環境でした。これではエビネがかわいそうだと思いヤブツバキを伐採したところ、直射日光が当たるようになり、逆に一部の株が傷んでしまいました。覆水盆に返らず。
それでも今年もジエビネやキエビネたちはきれいな花を咲かせてくれました。

散策日和

今日は、暑くもなく寒くもなく雨もなく風もなく曇り空で最高の散策日和でした。
今当園は芝桜や黄桜が満開で、エビネラン・スズランやクルメツツジが咲きだしました。
今年は2月の寒波の影響で例年より2週間ほど開花が遅れています。
今日清流沿いを散策されたお客様から、素朴だけど素晴らしい空間だったと有難い言葉をいただきました。

シャガは増えすぎます。

シャガは学名、アイリスジャポニカと付いているほど、日本原産と思われますが、中国から渡ってきた帰化植物です。シャガの名前は射干(しゃかん)という中国読みからきていますが、射干はもともとヒオウギだったのですが、いつの間にかシャガになったみたいです。
シャガは3倍体植物ですので種はつくれません。人の手で生息地の範囲を広げていきます。ヒガンバナやヤブカンゾウと同じです。
シャガは常緑樹の下などで湿り気のある明るい日陰でよく育ちます。当園のシャガ数年前に桂造園の圃場から移植した数株のランナーがどんどん伸びて群生しました。

サツマイナモリ

サツマイナモリの名前の由来は、鹿児島の固有種というわけでなく、関東地方以南の南九州でよく見られ、イナモリソウに似ているからだそうです。
サツマイナモリ、今でいうと鹿児島イナモリ、鹿児島のイナモリといえば、令和4年に逝去された稲盛和夫さんを連想します。稲盛さんの功績は周知のとおりですが、中でも会社更生法を適用したJALをわずか3年で再上場させるという偉業を成し遂げたことは驚きであり、しかも無報酬だったそうです。
稲盛さんは多くの名言を残されており、その一つに「リーダーは常に謙虚でなければならない」という言葉が知られています。
サツマイナモリの一株ずつはそれぞれ謙虚な花を咲かせますが、群生すると圧倒的なパワーを見せつけます。
今、清流沿いの散策路でサツマイナモリの花が見られます。

春蘭が咲いています。

春蘭(しゅんらん)の名前は春に花を咲かせることに由来しています。
また、春蘭は名前のとおりラン科の植物で、ランは地中の菌からも養分を得ており、菌がなければうまく育ちません。
当園の椿山には春蘭がたくさん自生していますが、春蘭の数倍自生しているヤブ蘭に似ており、春蘭の花は薄い緑のために気がつかずに通り過ぎてしまします。春蘭の花を見つけたら、上から眺めるのでなく腰を落としてなるべく下から観察してみてください。質素ながらも高貴な花を見ることができます。
春蘭は別名「ジジババ」と言われ、花びらにある班点が老人の顔にあるシミに似ていることから名付けられたようです。

ホトケノザ

ホトケノザを漢字で書くと「仏の座」、葉っぱが円状で縁に切れ込みの様子が「仏様が座る台座」に似ていることから、ホトケノザと呼ばれるようになりました。また、葉っぱが3階建ての屋根に見えることから「サンガイクサ」(三階草)という別名もあります。
ホトケノザはシソ科に属しており、花はシソ科の特徴の鳥のくちばしに似た「シンケイカ」(唇形花)で、多くの花を咲かせますが、そのうちいくつかの花は開花することなく、つぼみの中で自家受粉して種を作っています。
種にはアリが大好きな物質があり、アリに種を遠くまで運んでもらっています。
ちなみに、春の七草のホトケノザは、「コオニタビラコ」のことで、ホトケノザは毒はありませんが食べられません。

寒緋桜と緋寒桜

染井吉野が咲きだす前に寒緋桜は、真っ赤と言うより濃いピンク色の花を下向きに咲かせます。
私は最近まで寒緋桜と緋寒桜の違いが分かりませんでした。どう見ても同じような花なのに場所によって、寒緋桜の名札があったり緋寒桜の名札があり不思議に思っていました。ググってみると、なんと寒緋桜と緋寒桜は同じ種類だと知りました。
緋寒桜(ヒカンザクラ)とは全く別種に彼岸桜(ヒガンザクラ)があり、「カ」と「ガ」を聞き間違えることから、緋寒桜より寒緋桜の方がより使われるようになったみたいです。
併せて緋色ってどんな色なのかググってみると、緋は「あけ」と読み、茜色は「やや暗い赤」で緋色は「鮮やかな赤」だそうです。
染井吉野が育たない奄美地方や沖縄県では、サクラと言えば寒緋桜が一般的です。
写真は桂造園本社前の満開の寒緋桜です。

蝋梅の香り

蝋梅(ろうばい)は中国原産の落葉低木で、ろう細工のような繊細な小さい黄色い花をつけることから名付けられたと言われています。
蝋梅の花は目立たなくても、甘い香りが強く、花に気がつかなくても香りで近くに蝋梅の花が咲いていることに気づくほどです。
当園の蝋梅の品種は満月蝋梅で、満月蝋梅は他の品種より花が大きいのでお勧めです。
当園には黒花蝋梅もあります。黒花蝋梅は北アメリカ原産で初夏にチョコレート色の花を付けます。この木は次々にひこばえが出てくるので管理が面倒です。
蝋梅は雪中四友の一つで、極寒の中で咲く4つの花のひとつです。他にも梅、山茶花、水仙が含まれます。これらの花々の咲く様子は、その美しさ・香りだけでなく、厳しい自然の冬から穏やかな春への移ろいを感じさせてくれます。
当園は只今冬季休園中ですが、あたたかな日は開園しています。開園日はのぼりを出しています。

清流沿いの歩道を改修しています。

辰年から巳年にかわり、まずは昨年も多くのお客様に来園いただきありがとうございました。
本年も非日常の空間造りに邁進していく所存でございます。
新型コロナも山あり谷ありしながらも収束に向かい、日々の生活は元に戻りつつありますが、国内においては特殊詐欺や闇バイト問題、海外においては紛争や大国のエゴの押し付け等混沌としています。神様がいるのなら弱者を助けてくださいと祈るのみです。

現在、冬季休園中で清流沿いの自然散策路の改修を森林ボランティアの方々の協力を頂きながら行っています。
今回の改修の目玉は、絶滅危惧種のサツマアオイの群生地を通るということです。植物専門家によるとこれほどの群生は稀だそうです。
5人以上でご希望のお客様は当園スタッフが園内を案内します。事前にこのホームページの問い合わせフォームから来園日時等入力送信してください。