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桜切る馬鹿

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」ということわざがあります。これは桜の木は切った切り口から腐朽菌が入り弱るから切るな、梅は徒長枝により樹形が乱れるから不要な枝はどんどん切りなさい、という意味です。私は造園業界で長く働いていますが、この桜とは桜全般のことではなく染井吉野のことだと勝手に思っています。山桜はもっと丈夫です。
染井吉野は人が関与していないとすでに絶滅していた樹木なのです。
ダーウィンは「種の起源」の中で、「生き残る種とは、強いものでもなく、賢いものでもなく、最も環境の変化に適応したものだ」と書いています。
新型コロナウイルスも次々に変異して、生き残ろうとしています。
生き物はすべて遺伝という形で進化しており、強いもの、賢いもの、環境の変化に適応したものだけしか生き残れませんが、そもそも染井吉野は自然交配できない植物なので進化できないのです。そのため病気に強い染井吉野は存在しないのです。
ただ、染井吉野も普通の樹木と一緒で正しく剪定することで、病気にも強くなります。剪定する時期、剪定する位置、剪定後の処置が間違っているから樹勢が衰えていくのです。
染井吉野は愛情をもって接すると、普通の桜以上に私たちに優しさと癒しをもたらしてくれます。