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「コケテラリウム」作り

本日、森林ボランティア団体主催の「コケテラリウム」作りイベントがありました。
「コケテラリウム」とは、ガラス容器の中にコケをメインに小さい森や風景を作るもので、お金もかからず手軽に作れることから最近人気があります。
ガラス容器に入れる植物の材料は現地採取で、コケや小さなモミジ等見つけてから始めました。
参加者は初めての体験で、ちよっぴり不安ながらもワイワイ言いながら作りあげた作品は、どれも個性的なテラリウムとなりました。
午後から園内を散策しました。シャクナゲ園のコケワールドエリアでは小さいコケテラリウムでは味わえないダイナミックな魅力を感じていただきました。

春に咲く花

10月に入り暑さも少し和らぎ始めました。我が家では春に咲く花を種から育ててみようと種を買ってきました。
草花の多くは春に花を咲かせます。理由は夏が苦手というより、原産地の違いにより高温、多雨、多湿等で夏期では生きていけないために、春に花を咲かせ種を作り、種や球根で夏期を乗り越えているのです。このサイクルで一部の昆虫も合わせています。
秋に花を付ける草花は、冬が嫌いなために冬期を種や球根で乗り越えているのです。
気温が1~3度上昇することで生物の20~30%が絶滅の危機に瀕する、と言われています。地球温暖化により高温の夏期が長期化することから、春に咲く草花、秋に咲く草花、昆虫それぞれが淘汰されていくのでしょう。

はじめ人間ギャートルズのお金

以前来園されたお客様から「なぜ、ここにギャートルズのお金があるのですか」と尋ねられたことがありました。
はじめ人間ギャートルズは、私が小さい頃見ていたアニメ番組で、原始時代に主人公のはじめ人間ゴンが相棒のドテチンやゴンの家族とともにマンモス狩りをするストーリーでした。この中で大きな石のお金が出てきます。おそらくこのお金でマンモスの肉と交換していたのでしょう。
当園にある石のオブジェはギャートルズのお金ではありません。もし、お金として流通するのなら小判くらいの価値があるのではないかと思っています。
このオブジェの大きさが分かるように私の愛車の「ネコ」を並べてみました。「ネコ」は動物ではありません。手押し一輪車のことです。
まさしく「ネコに小判」です。

栄養豊富な雑草

畑で嫌われる雑草のひとつにスベリヒユがあります。スベリヒユは多肉植物のような葉っぱでポーチュラカに似たかわいい花を咲かせますが、抜いても抜いても生えてくるのでため息が出ます。
このスベリヒユは食べられることを知っていますか。しかも栄養価が高いスーパーフードなのです。スベリヒユは世界中で食べられフランス料理にも使われたり、沖縄や東北地方では昔から食べられていたみたいです。
スベリヒユの葉っぱはサラダでも食べられモロヘイヤとレタスを一緒に食べた食感がありますが、シュウ酸が多く含まれており結石を作る原因になりますので生ではお勧めできません。
お勧めはスベリヒユのおひたしです。お湯を沸かしひとつまみの塩とスベリヒユを1分間茹でて、流水でアク抜きして、刻んでゴマ油、砂糖、しょう油を適量加えてあえるだけです。
また、カラカラに干すと保存食として重宝します。

夏の水やり

今日は二十四節季の処暑、暑さが和らぐ頃とされますが、まだまだ猛暑日の毎日です。
熱中症を防ぐためにも水分補給は必須で、これは植物も同じです。
植物は肥料が足らなくても枯れることはありませんが、水分が足らないと枯れてしまいます。そのために何げなく水やりをしていますが、実は「水やり三年」と言われるくらい水やりは難しいのです。
植物は水分を根っこの先端から吸収し、導管を通じて末端の葉っぱまで浸透圧で吸い上げられます。運ばれた水分は葉緑体によりCO2と光エネルギーから有機物が作られたり、暑い温度を下げるために蒸散に使われます。このことが正しく理解されないと水やりのタイミングと水の量を判断できません。これらは経験から分かってきます。
私は地植えする植物には植える時以外は基本的に水やりしません。
問題なのが鉢植えの植物の水やりです。この時期は朝夕の2回の水やりが必要と言われますが、土が乾いていないのに水やりを続けると根腐れをおこして弱ったり枯れてしまいます。一日一回の水やりで十分で、朝と夕方どちらがいいかと尋ねられますが、光合成に水を使うので植物が光合成をし始める朝が良いという説が多いですが、私はハングリー精神を養うためにも夕方水やりしています。
一日一回の水やりが困難な方は、自動灌水機もありますが、鉢の大きさを一サイズ大きくしておくとか、西日のあたらない場所に鉢を置くとか、陶器製も鉢をプラスチック鉢に変える等の工夫が大事です。

ツユクサの不思議

真夏に青い花を咲かせるツユクサは、早朝から咲きだし昼にはしぼむことから朝露のように儚い様子から名付けられたそうです。
しかし儚いイメージのツユクサですが、繁殖力の強い植物で茎の節目から根を出しどんどん横に広がっていきます。伐根除草しても除草したツユクサを他の場所に捨てると、そこから根付き広がっていきます。以前わが家でも白い花をつけるトキワツユクサが自然に育ち、そのままにしていたら他の地被類を駆逐してあっという間に広がったことがありました。
ツユクサの花は毎日同じ花がずっと咲いているように見えますが、実は1日花で毎日別の花を咲かせています。ツユクサの花びらをよく見ると、上に向いて咲く青色の花びら2枚と、下に向いて咲く白い花びら1枚の計3枚です。
ツユクサのおしべは不思議で、花の上から3本、真ん中が1本、下が2本の計6本の3種類のおしべがあり、花粉をつけるのは下の2本のおしべだけです。ツユクサは蜜を作りませんが、その鮮やかな青色で昆虫を呼び寄せます。
ツユクサの受粉はさらに不思議で、受粉は花が開くときはおしべとめしべが接触して自家受粉(アサガオの受粉と同じ)、花が開いているときは昆虫を利用した他家受粉、花がしぼむときはおしべとめしべが接触して自家受粉するという、自家受粉と他家受粉のメリット・デメリットを知りつくしたとしか思えません。

小々ん坊

シャシャンボを漢字で書くと「小々ん坊」、小さい実がたくさんということです。
シャシャンボの花はブルーベリーの花と似ていますよね。シャシャンボはブルーベリーの仲間で秋に実が熟れたら食べられます。ブルーベリーよりすっぱいですが、シャシャンボジャムはブルーベリージャムと同じ味だそうです。アントシアニンも豊富に含まれています。
シャシャンボは樹勢の強い樹木で、枝の途中から切ると切ったところから新芽が複数出てきますので、剪定したつもりが逆にモサモサになりますので正しい位置で剪定しなければいけません。
当園の椿山には10メートルを超えるシャシャンボが自生しています。ちなみにシャシャンボはツツジ科です。

ネジバナが咲いています。

今、園内のいたるところにネジバナが咲いています。
ネジバナは花が螺旋状に付くことから、ネジリバナ、ネジレバナ、ネジリソウという別名があります。
ネジバナをよく見ると、右巻きと左巻きがあります。なぜなのか理由がわかりません。
ネジバナを伐根してみると、ネジバナの根は太く短く細根がありません。これはネジバナはランの一種でラン菌と共生しているため養分の多くはラン菌からもらっているからです。このためにネジバナを鉢植えするとうまく育ちません。

テーブル・イスを作りなおしました。

開園した時に作ったテーブル・イスが老朽化したことからすべて撤去して、新しく作ったものを設置しました。
今回もプラや金属製でなくすべて木製としました。なじみの大工さんに木材の曲がりを生かして作ってもらいましたので同じものはありません。
テーブルを設置してみると重量感がありすぎでした。
既製品を買って設置した方が簡単で安価なことは分かっていますが、当園に来ていただいたお客様に木のぬくもりを感じていただきたいのです。そのために愚直なほどに手作りにこだわりましたので木材の曲がりも楽しんでください。
テーブルの脚を短くした「バンコ」も作りました。「バンコ」に寝転んでみてください。
でも「バンコ」を知らない人もいるのではないでしょうか。「バンコ」はかごんま弁でなく、ポルトガル語で銀行(バンク)の語源だそうです。

めざせ苔寺

先月このブログでシャクナゲ園の苔を紹介したところ多くの反響を呼びました。
本日来られたお客様から西芳寺のスモール番みたいだったと有難い言葉をいただきました。
通称”苔寺”として親しまれている西芳寺は、聖徳太子の別荘から始まり今では世界遺産の古都京都の文化財を構成する資産のひとつで、当園とは月とスッポンですが、いつの日かは京都の苔寺みたいに整備したいです。
西芳寺にはスティーブ・ジョブズがお忍びでよく訪れていたことは知られていますが、ジョブズより娘のエリンさんが大好きなスポットだったみたいです。
苔は雨に濡れると緑色がさらに輝きます。雨の多いこの時期は苔が一番かがやきます。