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山々を眺めながらランチ

当園内には、多くのテーブル・ベンチが設置してあります。
そのテーブル・ベンチはすべて手作りで、同じものはありません。
設置している場所も、山中、芝生、コケの上等ユニークです。
設置してある場所が違えば、そこから見える風景も違ってきます。見える景色が違えば、会話も違ってきます。ゆるやかな会話は癒しの心に繋がると信じています。
自分が気にいったベンチに座って、そこから見える山々を眺めながらランチするのもいいものですよ。

鹿児島県内でも、新型コロナウイルスの感染者が急増しています。なかでも、県外への移動歴がなく、感染経路が不明な感染者も増えています。
私たちができることは、手洗い・マスクの着用という基本的なことが大事と改めて認識しました。
しかし、私自身手洗いについては、毎回30秒かけて石鹸で洗うことは少ないです。マスクは、自分が感染しないために着用していましたが、マスクの意義は、症状がない人も感染している可能性があり、周囲の人に飛沫感染させないことだそうです。
新型コロナとは、長い付き合いになりそうです。3密を防ぐ究極は、家(部屋)にこもるか、人と接触しない場所で過ごすかです。散策型の当園は、人とあまり接触しないスポットです。
休日にどこに行こうか迷ったときは、お勧めスポットです。

 

ど根性 ハマユウ

ハマユウ(浜木綿)は温暖な海岸によく自生しています。暖かい砂地の環境がハマユウに合っていると思っていましたが、ハマユウの種は海水に浮かび長期間漂流して、たどり着いた浜辺で発芽して、自生したハマユウの種はまた漂流して、その繰り返しで広がっているみたいです。
ハマユウは常緑ですが、寒さに弱く冬の霜で悲惨な姿になり枯れ、春になるとまた葉っぱを出します。ハマユウはヒガンバナの仲間で、ヒガンバナのように寒くなる前に自分で枯れるという学習能力はないのでしょうか。霜枯れするまで、光合成をして成長しなければならないのでしょうか。
きっとハマユウは南方系の植物なのに、海流にのり漂流しているうちに霜のおりる北国までたどり着いたのでしょう。

女優に浜木綿子さんがいらっしゃいます。この人の人生は波乱万丈です。それでも息子さん(香川照之さん)を立派に育てられたことは、望んでもないところに流されても、たどり着いたところで発芽して、きれいな花を咲かせるハマユウのごとく、人を感動させます。

ねむの木の花を見て想うこと。

3月21日に宮城まり子さんが逝去されました。ご存知の通り、宮城まり子さんは、障がいのある子どもたちのために、私財を投じて「ねむの木学園」を創立して、長い間学園を運営されました。凡人の私には、ただ、ただ頭が下がる人でした。
ねむの木は、夜になると葉っぱがいっせいに合わさるように閉じて眠るように見えることから由来しています。この様子は人はみんな一緒だよと思わせます。

ねむの木を漢字で書くと合歓木になります。
指宿スカイラインの樋高展望台に、美智子上皇后が皇太子妃時代に詠まれた歌碑があります。
「薩摩なる喜入の坂を上り来て 合歓の花見し 夏の日想ふ」
東京品川に「ねむの木の庭」という、バラ(プリンセスミチコ)が有名な区立公園があります。ここはもともと、美智子上皇后が育った正田家の邸宅があつたところで、公園の名前の由来は、美智子上皇后が高校生の時作った詩「ねむの木の子守歌」からきています。
その後「ねむの木の子守歌」は曲が作られ、当時の大スターだった吉永小百合さんや梓みちよさんが歌いヒットしました。美智子上皇后は作詞著作権を障碍者支援団体に譲られています。

ねむの木はマメ科に属しています。マメ科の植物は、根に養分を作る根粒菌と共生しており、養分の少ない痩せた土地でも育ちます。痩せた土地に育ちながら、この時期にきれいな花を咲かせるねむの木の花は、人をやさしくさせる力があると想いました。