今日は二十四節季の処暑、暑さが和らぐ頃とされますが、まだまだ猛暑日の毎日です。
熱中症を防ぐためにも水分補給は必須で、これは植物も同じです。
植物は肥料が足らなくても枯れることはありませんが、水分が足らないと枯れてしまいます。そのために何げなく水やりをしていますが、実は「水やり三年」と言われるくらい水やりは難しいのです。
植物は水分を根っこの先端から吸収し、導管を通じて末端の葉っぱまで浸透圧で吸い上げられます。運ばれた水分は葉緑体によりCO2と光エネルギーから有機物が作られたり、暑い温度を下げるために蒸散に使われます。このことが正しく理解されないと水やりのタイミングと水の量を判断できません。これらは経験から分かってきます。
私は地植えする植物には植える時以外は基本的に水やりしません。
問題なのが鉢植えの植物の水やりです。この時期は朝夕の2回の水やりが必要と言われますが、土が乾いていないのに水やりを続けると根腐れをおこして弱ったり枯れてしまいます。一日一回の水やりで十分で、朝と夕方どちらがいいかと尋ねられますが、光合成に水を使うので植物が光合成をし始める朝が良いという説が多いですが、私はハングリー精神を養うためにも夕方水やりしています。
一日一回の水やりが困難な方は、自動灌水機もありますが、鉢の大きさを一サイズ大きくしておくとか、西日のあたらない場所に鉢を置くとか、陶器製も鉢をプラスチック鉢に変える等の工夫が大事です。
月: 2024年8月
ツユクサの不思議
真夏に青い花を咲かせるツユクサは、早朝から咲きだし昼にはしぼむことから朝露のように儚い様子から名付けられたそうです。
しかし儚いイメージのツユクサですが、繁殖力の強い植物で茎の節目から根を出しどんどん横に広がっていきます。伐根除草しても除草したツユクサを他の場所に捨てると、そこから根付き広がっていきます。以前わが家でも白い花をつけるトキワツユクサが自然に育ち、そのままにしていたら他の地被類を駆逐してあっという間に広がったことがありました。
ツユクサの花は毎日同じ花がずっと咲いているように見えますが、実は1日花で毎日別の花を咲かせています。ツユクサの花びらをよく見ると、上に向いて咲く青色の花びら2枚と、下に向いて咲く白い花びら1枚の計3枚です。
ツユクサのおしべは不思議で、花の上から3本、真ん中が1本、下が2本の計6本の3種類のおしべがあり、花粉をつけるのは下の2本のおしべだけです。ツユクサは蜜を作りませんが、その鮮やかな青色で昆虫を呼び寄せます。
ツユクサの受粉はさらに不思議で、受粉は花が開くときはおしべとめしべが接触して自家受粉(アサガオの受粉と同じ)、花が開いているときは昆虫を利用した他家受粉、花がしぼむときはおしべとめしべが接触して自家受粉するという、自家受粉と他家受粉のメリット・デメリットを知りつくしたとしか思えません。