今年はヒガンバナが例年より早く咲きだし、今が満開です。
ヒガンバナは不思議というより、謎の多い植物です。
一部の農業大学や研究機関には2倍体のヒガンバナが存在しますが、国内のヒガンバナのほとんどが3倍体のヒガンバナです。3倍体があるということは、どかかに4倍体のヒガンバナが存在するか過去に存在していたはずです。
3倍体は普通の2倍体が減数分裂できないまま受精して4倍体ができて、2倍体と4倍体が交配して3倍体ができるらしいです。
3倍体の植物は、種子ができない代わりに大きくて病気に強く繁殖しやすいという利点があります。
私はヒガンバナがはるばる海を越えて日本に渡来した理由として、観賞用としてより食糧として持ち込まれたと考えます。
ヒガンバナの球根は有毒ですが、毒抜きすれば食べることができ飢饉の時は食べられていました 。
そして、日本に持ち込まれたヒガンバナはその有毒性から、田畑、川の土手、お墓に小動物よけとして有益性があったことから、日本中に分球を繰り返し移植されたのでしょう。
月: 2021年9月
繁殖力旺盛なドクダミ
ドクダミの葉っぱには、強い殺菌・抗菌効果があることは知られており、昔から生薬として重宝されてきました。また、ドクダミ茶は健康や美容に効能があります。
私はドクダミの独特の匂いは嫌いではないですが、多くの人はあの臭いが不快だといいます。ドクダミの白い花は葉っぱが変化したもので本当の花は花の真ん中にある黄色い棒状の部分です。
ドクダミは生命力の強い植物で、伐根しても少しの根が残っているとまた生えてきます。日陰で湿気のあるある環境だと、あっという間にドクダミだらけになってしまいます。ドクダミを駆除するには、熱湯、重曹、塩等ありますが、除草剤が手っ取り早いです。ただし、これらは他に植物がない場合で、ツツジの中や芝桜の中にはびこったドクダミにはお手上げです。
前回のブログでドクダミは三倍体植物と紹介しました。普通の三倍体植物は種子を作ることができません。ヒガンバナやシャガはその美しさと有益性から人間が生息地を広げてきました。ドクダミは地下茎の延長だけでは考えられないような場所にも育っています。人間や動物がドクダミの一部を移動しない限り生育できることはなく、受粉なしで種子を作れるみたいですがその仕組みはよく分かっていません。
受粉なしで繁殖しているということは、ソメイヨシノと同じクローン植物で、一般的なクローンは病気や環境の変化に弱いイメージがありますが、ドクダミはどんな雑草にも負けない強靭な植物です。
ヒガンバナとシャガ
今日は二十四節気の白露、季節は夏から秋に変わります。
当園のヒガンバナも咲きだしました。
ヒガンバナとシャガの共通点は、原産地が中国で帰化植物だということです。それと、日本に自生しているほとんどのヒガンバナもシャガも自分では種子を作ることはできません。何故かというと三倍体植物だからです。三倍体植物は遺伝をつかさどる染色体が三組あり、私たち人間も含めて普通の生き物の染色体より一組多いため、奇数だと染色体の細胞分裂が不規則になり種子を作ることができません。自然界では西洋タンポポやドクダミも三倍体植物です。
また、三倍体植物は種子を作るエネルギーを他に回すことができるために成長が早く、バナナは突然変異で生まれ、種無しブドウは人工的に作られた三倍体植物です。この人工的な技術で三倍体ニジマスも養殖され、サーモンの仲間という名前で美味しく食べられています。
種子を作れないヒガンバナとシャガは、その美しさと有益性から人間の力を利用して自生地を広げていきました。
ジゴクノカマノフタ
キランソウは万病に効く薬草で、別名「地獄の釜のふた」とも呼ばれ、死にかけた人もキランソウの薬効で病気も治り、地獄に通じる釜にふたをして死者を通さないことから由来しています。このことから「医者いらず」・「医者殺し」とも呼ばれています。
キランソウの花をよく見ると、花びらが1枚ずつ分かれずひとつの筒になっており、その筒の先は分かれていて、唇に似ていることから唇形花(シンケイカ)と呼ばれ、シソ科の植物に共通する特徴です。
キランソウの花は鮮やかな濃紫色できれいですが、繁殖力が強く、すぐにはびこり、私たちにとってはただの雑草でしかありません。
東京2020パラリンピックも昨日で終わりました。
開会式・閉会式や車いすラグビーも感動しましたが、私が一番感動したのは女子シッティングバレーボールチームの笑顔でした。特にキャプテンの西家さんは7月下旬の交通事故でまともにプレーできない状態なのに、笑顔でチームを鼓舞していました。涙腺崩壊でした。
将来iPS細胞の研究で、失われた体の一部やその機能を回復させることができるかもしれませんが、その日まで、障がいの有無にかかわらず、お互いに話し合い、助け合い、行動する「共生社会」が大事と痛感しました。