真夏に青い花を咲かせるツユクサは、早朝から咲きだし昼にはしぼむことから朝露のように儚い様子から名付けられたそうです。
しかし儚いイメージのツユクサですが、繁殖力の強い植物で茎の節目から根を出しどんどん横に広がっていきます。伐根除草しても除草したツユクサを他の場所に捨てると、そこから根付き広がっていきます。以前わが家でも白い花をつけるトキワツユクサが自然に育ち、そのままにしていたら他の地被類を駆逐してあっという間に広がったことがありました。
ツユクサの花は毎日同じ花がずっと咲いているように見えますが、実は1日花で毎日別の花を咲かせています。ツユクサの花びらをよく見ると、上に向いて咲く青色の花びら2枚と、下に向いて咲く白い花びら1枚の計3枚です。
ツユクサのおしべは不思議で、花の上から3本、真ん中が1本、下が2本の計6本の3種類のおしべがあり、花粉をつけるのは下の2本のおしべだけです。ツユクサは蜜を作りませんが、その鮮やかな青色で昆虫を呼び寄せます。
ツユクサの受粉はさらに不思議で、受粉は花が開くときはおしべとめしべが接触して自家受粉(アサガオの受粉と同じ)、花が開いているときは昆虫を利用した他家受粉、花がしぼむときはおしべとめしべが接触して自家受粉するという、自家受粉と他家受粉のメリット・デメリットを知りつくしたとしか思えません。