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コミカンソウ

コミカンソウは小さな草で、今の時期に葉っぱの下に小さなミカンを一直線にぶら下げた小枝を四方に出しているように見えます。
コミカンソウは伐根しやすいため毎年草抜きしていますが、翌年また生えてきます。スギナは地上部をちぎっても地下茎が残っているので、また生えてくるのは理解できますが、コミカンソウは今年こそ今年こそはと根気強く除草しますが、コミカンソウの生命力の方が優っているのかまた生えてきます。
コミカンソウは一本だけならかわいいお花ですが、コミカンソウだらけだとただの雑草です。

明日は二十四節気の寒露。寒露とは、「草花に降りる冷たい露」ということで、これから朝晩が冷え込み、木々の紅葉が始まります。

グリーンモンスター

今、指宿スカイラインを走ると、クズ(葛)の花を見ることができます。
クズは秋の七草の一つで、クズの根は葛根湯や和菓子の原料になり、昔から上手に利用されてきた有用な植物でした。私にとってクズは、カンネとかカンネンカズラと呼び普通の雑草でした。しかし、近年私たちの生活環境の変化から、クズを利用しなくなると、繁殖力の強いクズは伸び放題になっています。
海外から日本に持ち込まれた、セイタカアワダチソウやオオキンケイギク等は、日本の在来種に影響をもたらしていますが、日本原産のクズはアメリカでそれ以上の脅威になっています。
クズは昔アメリカで、園芸の装飾や土壌流失防止のために積極的に植えられましたが、温厚な気候と天敵がいなかったこと綿花の衰退等により、他の植物を駆逐し、クズが巻き付いた林はクズの葉っぱで覆われて、グリーンモンスターと呼ばれています。また、高木がないところでは低木や草原を覆いつくし、クズしか生えないグリーンデザート(緑の砂漠)になっています。
このやっかいもののクズですが、ヤギはクズの葉っぱが大好物だそうです。ヤギの放牧にはいろいろ問題がありますが、まずはヤギ肉の食用が一般的になるかだと思います。
それより、クズからバイオエタノールを精製する方法が開発されています。バイオエタノールはカーボンニュートラルで注目されていますが、バイオエタノールの主な原料はサトウキビやトウモロコシで飢餓問題から反対する人もいます。
今後、技術開発でバイオエタノールのメインの原料がクズになる日もくるでしょう。

 

 

いっせいに咲くヒガンバナの謎

ヒガンバナはお彼岸の頃にいっせいに咲き、いっせいに枯れ、いっせいに葉っぱがでてきます。理由は昨年このブログで紹介したとおり、ヒガンバナは種ができず、球根が分裂して殖える(分球)植物だからです。分球した球根は親の遺伝子をそのまま引き継ぎます。ルーツをさかのぼると大陸から稲作とともに入ってきた時からヒガンバナの遺伝子はほとんど同じです。
ソメイヨシノと同じで、ソメイヨシノは江戸時代に染井村にあったオオシマザクラとエドヒガンの交雑種を職人が接ぎ木を繰り返し増やした花木で、日本中・世界中のソメイヨシノの遺伝子は同じです。だから、早咲き遅咲きもなく、サクラの開花宣言の標本木はソメイヨシノなのです。(ソメイヨシノが育たない沖縄や奄美地方ではヒカンザクラになります)
ちなみに、オレンジ色の花のヒガンバナの名前はキツネノカミソリで、黄色ヒガンバナの名前はショウキズイセン、白花ヒガンバナはショウキズイセンの交雑種といわれています。

今年もスズラン。

毎年恒例の、かごしま環境未来館主催の地域まるごと共育講座を本日開催しました。今年のテーマも「幸せを呼ぶ、スズランを植えよう」で、昨年植えたエリアに隣接する場所に、皆でスズランを植える予定でしたが、台風の影響か雨が降りだし、スズランを植える様子を見てもらうだけになりました。
昨年植えたスズランは春に可憐な白い花を咲かせ、その後子株を出しています。時々イノシシに荒らされますが、確実に増えてきています。
園内を散策している時は雨がやみ、散策しながらアジサイの剪定方法やヘクソカズラの名前の由来等説明しました。
ヒガンバナやソテツの不思議を説明すると、「へぇー」とメモされている人もいました。
このイベントに毎年参加されている夫婦から、来年も企画してもらい「スズランの群生地を作りましょう」と有難い提案がありました。

 

くさいからクサギ

クサギの近くを通っても臭いはしませんが、葉っぱをちぎると独特の臭気を発します。臭いからクサギです。
それでも、クサギの葉っぱは食用になり、薬用としても利用されます。また、クサギの実は染料になり、青色を出せる植物は藍とクサギだけだそうです。
クサギの花も臭いのかと思い、興味本位で臭いを嗅いでみると、ほんのり甘くていい匂いがしました。
いつもは目立たない樹木ですが、花の少ない時期に、白い小花を数多く咲かせて「私はここにいるよ」とアピールしています。

凡事徹底

新型コロナウイルスの爆発的拡大により、感染者が20万人を超える日もあり、最近の感染者数は世界最多となり、またもや医療提供体制がひっ迫しています。医療機関や介護施設で働く人以外のエッセンシャルワーカーの職場も機能がマヒ状態になり、保育園、小さな郵便局、バスの運行等、私たちの日常生活に支障も出ています。
ただ、私たちはクルーズ客船から「第6波」まで経験して、感染ルートと予防方法を学んできました。行動制限は一律に飲食店の時短やアルコールの提供を規制してきましたが、強力な換気装置のある焼肉屋さんは感染リスクが低いそうです。
志村けんさんの死亡時に新型コロナの脅威におびえましたが、最近のオミクロン株は感染しても軽症と高をくくっています。
「水は低きに流れ、人は易きに流れる」と言われますが、予防はワクチン接種が一番で、手洗い、マスク、三密の回避しかありません。当たり前のことを当たり前に徹底して行う、凡事徹底です。感染リスクの高い歯科医院でのクラスター発生は聞いたことがありません。
暑い日が続いています。クーラーの効いた場所は換気不足になりやすく、飛沫感染や接触感染より空気感染の方が感染することも分かってきました。
クーラーの効いた部屋で過ごすより、当園の自然散策路をゆっくり歩いてみてください。森林浴が免疫力を高めることは知られています。

ナギラン

今、シャクナゲ園のサツマアオイが自生している近くにナギランが可憐な花を咲かせています。
ナギランは葉っぱが、マキ科の常緑高木のナギに似ているから命名されました。ナギランは植物ですから光合成で生育しますが、菌類からも栄養をもらっています。
ナギランは環境省レッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に指定されている希少種です。

新型コロナの感染者数がまた増えてきました。
オミクロン株の派生型「BA.5」への置き換わりが進んだことから、感染が拡大して「第7波」に入ったみたいです。
ウイルスは致死率が高いと生き残れません。症状が軽くて感染力が強い株のみ生き残ります。オミクロン株は重症化率が低いといわれますが、感染者数が多くなれば必然的に重症者数も増えてきます。逆に、感染者数は増えても重症者を出さないことが大事で、重症者になりやすい高齢者や基礎疾患のある方をもっと守る仕組みが必要と考えます。
ウイズコロナは続いてもアフターコロナはしばらくは無いと認識しましょう。

ハンゲショウなのに

半夏生(ハンゲショウ)は、二十四節気をさらに三つに分けた七十二候のひとつで、二十四節気の夏至から数えて11日となる7月2日から小暑(7月7日)までの5日間のことです。
七十二候は農耕民族だった昔から、天気や動植物の動きを教えるもので、半夏生までに田植えを終える目安とされていました。
七十二候はMBCラジオの城山スズメでよく紹介されています。

この時期にドクタミ科のハンゲショウも花を咲かせます。なぜか花の咲く時期だけ、葉っぱの上部が何枚か白くなります。化粧を半分だけしているように見えるので半化粧と呼ばれるようになりました。
葉っぱが白くなる理由は、ハンゲショウは花の咲く時期だけ花の近くの葉っぱの葉緑体が葉緑素を作らないために白くなり、白い葉っぱで受粉する昆虫にアピールするためといわれています。
当園にもハンゲショウが植えてありますが、葉っぱは緑のままで白くなりません。誰に似たのか、わがままです。

ギボウシが咲きだしました。

今春、椿山入口にあったギボウシを株分けして、自然散策路に植えました。
そのギボウシが咲きだしました。
ギボウシは昔から愛された植物で、江戸時代には一大ブームとなり品種改良がすすみ、シーボルトによって欧米に紹介され、今ではホスタと呼ばれ特にアメリカで人気があるそうです。また、日陰でも丈夫に育ち、斑入りの葉っぱも美しいことからパーフェクトプランツとも呼ばれています。

特攻花

指宿スカイラインの錫山IC付近に、桂花園まで3kmの看板を昨年立てました。
今、その看板付近にオオキンケイギクが黄色い花を咲かせています。
オオキンケイギクはアメリカ原産の外来種で、荒れ地にも元気に育つために法面工事等で使われていましたが、繁殖力が強く在来植物に悪影響をもたらすことから、特定外来生物として栽培することも禁止されています。

オオキンケイギクは別名「特攻花」とも呼ばれています。特攻花と呼ばれるのには諸説ありますが、先の大戦で特攻隊が一番多く出撃した鹿屋基地の滑走路周辺に、終戦後黄色い花が咲くようになったことから、特攻花と呼ばれるようになりました。
この鹿屋基地からロケット型特攻機「桜花」も母機とともに出撃しています。桜花は母機から切り離されると米軍艦艇に突っ込むだけの人間爆弾でした。
今日、この鹿屋基地に米軍の無人偵察機「MQ9」の展開が計画されています。攻撃型ではないとか、1年間だけとか、全員ホテル宿泊とか、屈強な兵隊というよりエンジニア集団と説明していますが、果たしてどうなるのでしょうか。
日米安保条約により、日本に何かあったら米軍も守ってくれるはずですが、アメリカ国民もそう思うでしょうか。
アメリカ原産のオオキンケイギクは日本の在来植物を駆逐しています。