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すす病を引き起こす虫の驚くべき生態

先日、桂造園でお客様の庭を剪定していると、お客様から交通量の増加で排気ガスにより葉っぱが真っ黒になりましたと言われ、これはすす病という病気だと説明しました。
すす病の原因は、カイガラムシやアブラムシの分泌物や尿にはびこる黒いカビで、葉っぱが黒くなると光合成ができなくなり植物が弱ってきます。
すす病を予防するには、植物の風通しを良くすることと、カイガラムシやアブラムシの生態を知ることです。
今回はアブラムシの驚くべき生態を紹介します。
アブラムシはメスだけで子供を産みことができる「単為生殖」という生態で、春から秋までは卵でなく親のクローンのメスの幼虫を産みます。しかも、生まれてくる子供はすでに妊娠しています。人間でいうとお母さんが女の子を出産し、生まれてきた娘のお腹にはすでに孫娘が宿っている状況です。幼虫は10日ほどで成虫になりますので、あっという間に増殖します。
アブラムシは、植物に口針を挿入して養分を吸い取ります。少数なら構いませんが、繁殖して群れで養分を吸い取られると植物は弱っていきます。アブラムシはこれ以上繁殖できないと判断すると、今度は羽根のある子どもを産み、飛んでたどり着いた好みの植物で繁殖を繰り返します。
さらに、晩秋になるとオスと卵を産むメスが現れ、交尾して卵を産み、卵で越冬します。翌春生まれてくる幼虫はすべてメスです。
また、アブラムシはアリと共生関係にあり、アリの大好きな甘い尿を出してアリを味方につけて外敵から身を守ってもらいます。驚くべき生態です。
アブラムシを駆除するには薬剤散布が有効ですが、長期間アブラムシの発生を抑えることはできません。それよりアブラムシの完全駆除をあきらめて、天敵のテントウムシを利用した食物連鎖を考えた方が良いです。お庭の一画に天敵の住める環境を作るのことをお勧めします。