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特攻花

指宿スカイラインの錫山IC付近に、桂花園まで3kmの看板を昨年立てました。
今、その看板付近にオオキンケイギクが黄色い花を咲かせています。
オオキンケイギクはアメリカ原産の外来種で、荒れ地にも元気に育つために法面工事等で使われていましたが、繁殖力が強く在来植物に悪影響をもたらすことから、特定外来生物として栽培することも禁止されています。

オオキンケイギクは別名「特攻花」とも呼ばれています。特攻花と呼ばれるのには諸説ありますが、先の大戦で特攻隊が一番多く出撃した鹿屋基地の滑走路周辺に、終戦後黄色い花が咲くようになったことから、特攻花と呼ばれるようになりました。
この鹿屋基地からロケット型特攻機「桜花」も母機とともに出撃しています。桜花は母機から切り離されると米軍艦艇に突っ込むだけの人間爆弾でした。
今日、この鹿屋基地に米軍の無人偵察機「MQ9」の展開が計画されています。攻撃型ではないとか、1年間だけとか、全員ホテル宿泊とか、屈強な兵隊というよりエンジニア集団と説明していますが、果たしてどうなるのでしょうか。
日米安保条約により、日本に何かあったら米軍も守ってくれるはずですが、アメリカ国民もそう思うでしょうか。
アメリカ原産のオオキンケイギクは日本の在来植物を駆逐しています。

ダンスパーティーも咲きだしました。

額アジサイで一番人気のダンスパーティーは、そよ風に花が揺れる様子が「みんなで輪になってダンスしているように見える」ということから、この名がつけられたといわれます。
当園は平地と標高差があるために平地より遅くなりましたが、やっとアジサイが咲きだしました。
年初に桂造園の農場で育成していたアジサイ200株を移植しましたので、昨年より華やかになりました。

広大な園内を時のゆるす限り散策してください。小さな草花から巨大な岩盤や、昔の炭焼き窯あとまで見られます。
ベンチも多く設置しました。おにぎり持参でお出かけください。おかずはいりません。ベンチから見える風景がおかずになります。

 

日陰の庭には山アジサイ

この時期になると、山アジサイがありますかとよく聞かれます。普通のアジサイより山アジサイが好きだという人もいらっしゃいます。
私自身、アジサイと山アジサイの違いが分かってませんが、山アジサイは小ぶりで枝が細く弱々しく、葉っぱの先が尖っていて葉っぱの色に光沢のないのが山アジサイと思います。
山アジサイの多くは原産地である日本の風土に適しており、大きくならないので剪定もそんなに必要ではありません。
ひなたの庭には西洋アジサイ、日陰の庭には山アジサイが似合います。
アジサイの花の色は、土壌が酸性の時は青くなり、アルカリ性の時は赤くなりますが、以前このブログで紹介したとおりアルミニュムが関係しています。アジサイの花の色は、通常アジサイのアントシアニンで赤色ですが、土壌から溶け出したアルミニュムイオンと反応すると青色になります。
アジサイに化学肥料をやりすぎると、リン酸がアルミニュムを吸着し不溶性にしてしまうために、根がアルミニュムを吸えなくなりますので青色が出にくくなります。
山アジサイを代表する紅(くれない)は、土壌に関係なく日光に反応して、花の色は白から淡いピンクそして濃い赤に変化します。
山アジサイは日陰の庭に癒しの雰囲気をつくってくれます。
当園では山アジサイが椿山の頂上と小川の散策路にあります。

蕾がこんぺいとう

昨日来園された若いお客様から、「今何が咲いていますか」と聞かれましたので、「カルミアがきれいです」と答えたら、「カルミアってどんな花ですか」と聞かれましたので、「蕾がこんぺいとうに似ていますよ」と答えたら、「こんぺいとうって何ですか」と聞かれました。・・・ジェネレーションギャップ。
カルミアはツツジ科でアメリカシャクナゲという別名もあります。
カルミアのおしべは飛んできた虫が接触すると花びらのくぼみから飛び出し花粉をまき散らします。
東京都がアメリカにサクラを送ったお礼として贈られてきました。

目には青葉

今日はみどりの日、多くの方に入園いただきました。
目には青葉 山ホトトギス 初鰹
これは周知のとおり、江戸時代の俳人 山口素堂の句です。
私は「目に青葉」と思い込んでいましたが、正しくは「目には青葉」です。俳句のきまりである五・七・五より字余りですが、目に「は」を入れることで、耳には山ホトトギス、口には初鰹と連想させ、視覚、聴覚、味覚から待ちわびた初夏を見事に表現しています。
また、この句の青葉、ホトトギス、初鰹は夏の季語で三つの季語があることになります。木曜日のプレバトの夏井先生に叱られそうです。
当園にはホトトギスが育っています。鳥ではありません。野草です。野草のホトトギスは花びらの模様が鳥のホトトギスの胸の斑紋と似ていることから命名されました。

私たちは言動に気をつければ争いになることはないと思っていました。
ましてや、大国が小国に侵略することは理解できません。
がんばれ、ウクライナ。
ウクライナは世界有数の小麦の生産国です。
麦秋の季語は初夏、新緑を目にして平和を祈るばかりです。

銀色の竜 ギンリョウソウ

本日の南日本新聞にギンリョウソウが紹介されていました。
当園の小川の散策路に自生しており、昨年と同じ場所に今年も咲いています。
ギンリョウソウはまっ白い様子からユウレイダケという別名もあります。
ギンリョウソウはナンバンギセル同様葉緑体を持ってないために、光合成をすることができず、周りの菌類から栄養分をもらって育ちます。
当園は自然が豊かです。

 

オキナグサの群生

オキナグサは花後にできる種に白く長い毛があり、その種がそよ風になびく様子が年老いた男性の白髪に見えることから「オキナグサ(翁草)」と呼ばれたそうです。
オキナグサを4年前の開所前に1株植えました。それから1年後に常連客が数株寄贈してくれました。開所してからオキナグサの周りに風で飛んだ種から発芽していることを知らずに、刈払い機で草刈りしていました。昨年の春に実生の苗を見つけ、それから刈払い機での草刈りをオキナグサの実生を傷つけないようにしたところ、今年はあっという間に群生するまでになりました。
伊佐市菱刈に「オキナグサの里」があります。先日来園されたお客様が、伊佐の気候と当園周辺の気候が似ているのだろうと話されました。
これから花が終わり、白く長い毛を付けた種が風で飛んでいきます。小さな旅たちが見られます。

巨石を見て「をおおっ」

本日も天気に恵まれて、多くの方が来園されました。
今、当園では芝桜が満開、シャクナゲ、クルメツツ咲きだし、花に癒されたとの声をいただきました。
鹿児島市内から来園された団体客の方々は、自然散策路の巨石群を見て、人の力では作れない大自然のパワーに驚いたと話されました。
新型コロナや信じがたいロシアの蛮行等、殺伐とした時だからこそ、癒しろの杜で心に「茶いっぺ」してみませんか。

 

来年もクリスマスローズを楽しむために。

クリスマスローズは日蔭の植物と思われがちですが、日蔭でも対応できる丈夫な植物で、日差しがあって涼しい環境が好きです。ヨーロッパ原産のクリスマスローズは日本の夏の高温多湿が苦手ですので、夏季は半休眠状態で過ごします。この時期に肥料をあげてはいけません。植え替えはもってのほかです。
クリスマスローズは冬から春にかけ長期間花が咲き、花の色が緑になっても趣があるために、ついつい花を残しがちですが、早く花を切るほど新葉が光合成を活発に行うために株自体に養分を貯められ、来年も多くの花を付けてくれます。
花をそのままにしておくと、新芽より種に養分がいきますので、株に養分を貯められず来年の花に影響します。
ソメソメイヨシノが咲く頃新芽が出てきますので、このタイミングで花が咲いている茎を地際から少し上で切ることをお勧めします。あわせて古葉を取ることと、お礼肥えとして固形の有機肥料を少しあげましょう。

直太朗さんの「さくら」

当園の指宿スカイライン沿いのソメイヨシノが開花しました。
卒業をテーマにした曲はたくさんありますが、私は森山直太朗さんの「さくら」が好きです。
♪さくら さくら 今、咲き誇る、
♪刹那に散りゆくさだめと知って・・
桜の満開の美しさとすぐ散ってしまう儚さを、今まで苦楽を共にした友達との別れ、そしてまたいつの日か満開の桜のこの場所で会おうと歌っています。

私たちの年代以上では桜といえば、先の大戦の特攻隊と重なります。知覧特攻平和会館の特攻隊員の遺書を拝読すると桜の文言がよく出てきます。桜の散りゆく潔さのように、お国のために敵艦に突っ込んでいったのだろうか。桜の散りゆく潔さの思想が悲劇の特攻と結びつけられるように、桜は日本人にとって特別すぎる樹木です。
直太朗さんの「さくら」の歌詞と魂を揺さぶる独唱が特攻と重なるのは私だけだろうか。
今年もいろんな桜が当園で咲いています。