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自然散策路を改修しています。

今、寒さのために閉園しており、お客様が不在ですので、自然散策路を改修しています。
歩きやすいように清流の石で階段を作ったり、乱立している木々を間引いて明るいスポットになりました。
樹木を間引いてみると、その後ろにあった岩盤の大きさに私たちも驚嘆しました。
3月から開園予定です。来園の際には、自然散策路まで足を運んでください。
視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の五感を刺激する散策路は、来園される方々に癒しの効果をもたらすでしょう。

喜入といえばメヒルギ

当園の住所は鹿児島市平川で隣町は喜入になります。喜入といえばメヒルギの北限地として有名です。先日、休みを利用してメヒルギを見に行ってきました。
メヒルギはマングローブの一種で、種子が沖縄の笄(コウガイ、かんざしのこと)に似ていることからリュキュウコウガイという別名もあるみたいです。
メヒルギを含むマングローブの不思議なことは、海水の中で生きられることです。一般的な植物は塩分による浸透圧で枯れますが、マングローブは海水に含まれる塩分を取り除き真水にするとか、塩分をある特定の葉っぱに蓄積させて溜まったら落葉させる能力があるみたいですが、凡人の私にはその仕組みが分かりません。
それと、繁殖方法がおもしろいです。普通の樹木はドングリのように熟した種子を枝先から落としますが、マングローブの仲間は種子が枝にぶら下がっている間に発芽して生存率を高めていることです。胎生植物といわれます。マングローブの枝から種子が落ちる時に、干潮だったらインゲンみたいな種子が泥に突き刺さり側根を出して根付き、満潮だったら浮遊してたどり着いた場所で根付きます。
今日、地球温暖化により動植物の北限地が北上しています。しかし、メヒルギの北限の群生は昔から喜入と南さつま市大浦町以外では見られません。植物学会では一番の謎だそうです。
地球温暖化の原因の一因として、アマゾンなどの熱帯雨林と東南アジアのマングローブ林の消滅があります。マングローブ林が激減した要因は、エビ養殖地への転換で、このエビ養殖池で育てられるブラックタイガーのほとんどは日本向けです。
マングローブ林の炭素貯蓄量は熱帯林以上で、マングローブ林の再生が地球温暖化の抑制に繋がるそうです。

運は必然

あけましておめでとうございます。皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。
昨年も新型コロナウイルスに振り回された一年でした。
そんな一年で一番活躍した人は、リアル二刀流で沸かした大谷翔平選手でしょう。打って、投げて、走って、誰よりも高い目標、そして誰よりも謙虚で、誰からも尊敬されました。
今の大谷選手は持って生まれた才能が運よく開花したと思っていましたが、鈴木福君による大谷選手が高校時代に書いた目標設定シートを解説するテレビ番組を見て感慨深いものがありました。
大谷選手の目標は、ピッチャーとして「8球団からドラフト1位指名を受ける」ということでした。
この目標を達成するために、「体づくり、コントロール、キレ、スピード、変化球、運、人間性、メンタル」を挙げています。
このうち、「運」を達成する要素として、「挨拶、ごみ拾い、部屋そうじ、審判さんへの態度、本を読む、応援される人間になる、プラス思考、道具を大切に扱う」と書いて、それを今も実行していることを福君が解説してくれました。
「運」は神だよりや偶然ではなく、必然の結果だと、17歳の福君から学ばせてもらいました。

昨年の暮れから、アジサイの植栽地を整備しています。梅雨時期の新たなスポットとなるでしょう。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

赤い実が存在価値のクロガネモチ

クロガネモチはどんな環境でも丈夫に育つために街路樹でよく見かけます。花の少ないこの時期に真っ赤な実をたくさん付けますので人気があります。
クロガネモチは雌雄異株でオスの木とメスの木があり、実の付けないオスの木は商品価値ゼロで、市場で見かけることもありません。採卵用のひよこのオス・メス識別で、オスと判定されると即処分されるのと同じです。

一般的な植物の花はおしべとめしべの両方を持っていて昆虫等で受粉します。これだと確実に種子を残せますが、自家受粉した子供は親と同じ性質ですので、環境が変わったときに病気にかかりやすく全滅することもあります。そのために、植物は自分の花粉以外の花粉で受粉して、多様な子孫を残そうとします。その極めつけが雌雄異株といわれる植物で、オスの植物とメスの植物は別です。雌雄異株のイチョウはメスの木の近くにオスの木がないと受粉できないためにギンナンはとれません。

よく考えると、街路樹の赤い実を付けるメスのクロガネモチは近くにオスの木がないのに、どうして実を付けられるのでしょうか。雄花がなくても結実するのか、他の植物の花粉でも受粉するのでしょうか。
そうなると、オスのクロガネモチの存在価値はどこにあるのでしょうか。オスクロガネモチが不要なメスクロガネモチは、まさしく「苦労がネー・金持ち」。

今日は24節気の「大雪」、雪も降りだし冬が本格化する時期になりました。
指宿スカイラインの通行状況を鑑み、来春までしばらくの間休園します。

少しでも・・

桂造園と桂花園は伐採した樹木を森林ボランティア団体に進呈しています。森林ボランティア団体は、樹木を炭や薪にして販売し活動資金に充当しています。
最近、コロナの影響でキャンプ場用の薪の需要が高く、トラックで運んでいくと、いつも喜ばれます。
炭焼きの原木は広葉樹が向いており、そのことは当社も理解していますので、今回もすべて広葉樹の樹木でした。
少しでも、社会に貢献できればという社風です。

黄葉と紅葉

当園のモミジの葉っぱも秋の深まりとともに、黄葉そして紅葉してきました。
葉っぱが黄葉する理由は、もともと葉っぱには光合成を担う緑色のクロロフィルと光合成を助ける黄色のカロチノイドがあり、秋になり光合成の低下によりクロロフィルが分解されると、黄色いカロチノイドが目立ってくるので、葉っぱ全体が黄色に見えてきます。
葉っぱが紅葉する理由は、赤くみえるのはアントシアニンですが、アントシニアンの役割が、強い日差しを和らいでくれるとか、有害な活性酸素を抑えるためらしいですが、本当の理由は分ってないみたいです。
いずれにしも、理由はどうであれ、日本人は黄葉や紅葉が大好きで、鹿児島の人たちも垂水にイチョウを見に行ったり霧島の紅葉を見に行きます。
紅葉した樹木を見ると、日本人で良かったと思うことがあります。その神秘に思わず手を合わせたくなります。

季節を感じさせるハクサンボク

当園には、いたるところにハクサンボクが自生しています。
今、ハクサンボクの赤い実が鮮やかです。この実は食べられます。
ハクサンボクは1年を通して季節感を楽しませてくれる常緑樹ですので、庭木としても人気があります。
春は新緑の枝先に小さな白い花をたくさん咲かせます。この花には独自の香りがあります。
夏は緑の葉っぱが光沢を増します。
秋は真っ赤な実が小鳥たちを呼びます。
冬は紅葉します。
ハクサンボクは育てやすい木ですが、環境に恵まれると大きくなりすぎますので、小さいお庭や玄関先のワンポイントで植えると剪定が必要になります。
当園のシャクナゲ園には多くのハクウンボクがあります。ハクサンボクとハクウンボクとどっちがどっちと迷うことがあります。老人性痴ほう症です。

 

秋の味覚 うんべ

私の周りの人は皆、うんべといいますが、うんべは方言で、正式にはムベというそうです。ムベを漢字で書くと「郁子」、郁は香りがいいことを表し、子は実のことで、良い香りの果実ということです。ムベは昔は皇室に献上されていた高貴な果実です。
うんべに似たアケビは、葉っぱはうんべより小さく冬になると落葉します。また、アケビの実は熟すると皮が縦に裂けますので分かります。
私の小さい頃は、おやつはお店で買うものでなく、野山でいただく(調達する)ものでした。この時期は、山の木に登りうんべの実をちぎりポケットに詰め込み、歩きながら食べて種をペッペッとまき散らしたものでした。今考えると、うんべの播種計画に基づき、忠実に種まきを実行していたんだと懐かしく思い出しました。
過日、美味しくいただいたうんべは、食べたあとの皮と種は燃えるゴミの日に生ごみで出しました。

パンジーとビオラを長く楽しむために。

今日は二十四節気の霜降、さすがに霜の降りる時期には早いですが、季節は秋も終わる頃で、これからモミジも紅葉していきます。
これから寒くなると寂しくなる花壇に無くてはならないのがパンジーとビオラです。パンジーとビオラは、霜にも負けず病害虫にも強いことから育てやすく、昔は三色スミレといわれ原色がはっきりした花でしたが、近年ではいろんな品種が出てきたことから、この時期No1の花です。
パンジーとビオラを長く楽しむためには、肥料、日照や水やりが大切ですが、それ以上に大切なポイントは花がら摘みです。
植物は花が咲いた後、そのままににしておくと多くのエネルギーを使い種子になります。植物は花を咲かせることが第一でなく、種子を作り次の世代により多くの子孫に繋ぐことを最優先します。そうして、多くの種子を残した植物は「私の人生これで終わりー」と枯れていきます。逆にいえば、花は咲かせても種子を作れない環境にすれば、植物はいつまでも必死になり今後こそはと花を咲かせ種子を作ろうとします。そのために、花がら摘みが必要になります。花がら摘みは、花がらだけでなく根元の茎ごと、手でちぎるのでなくハサミで切ってください。
パンジーの花は食べられることをご存知でしょうか。パンジーの花はエディブルフラワー(食用花)としても人気があります。観賞用のパンジーの花は食べられないこともないですが、ポット苗のパンジーは出荷時に薬剤が使われているためにお勧めできません。料理やデザートに使いたい方は、専用の品種がありますので、そちらをお勧めします。インスタ映えするだけでなく、繊維質やビタミンも豊富みたいです。

蟷螂の斧

蟷螂の斧(とうろうのおの)とは、知っている人も多いと思いますが、中国春秋時代、カマキリが前足を上げてファイティングポーズをとり馬車を止めたことから、弱者が自分の力量をはるかに超えた強敵に立ち向かう姿で、読めても漢字で書けない故事です。

この前、園内を散策していると、交尾しているカマキリを見つけました。
メスカマキリはお腹がすいていると、交尾中でもオスカマキリを頭から食べることがあるらしいです。しかも、オスのカマキリは頭部を食べられても交尾活動を続けるらしいから不思議です。
オスのカマキリの献身的な愛にもほどがあります。私たちにはマネができません。
人とカマキリの違いは、人は家族のため社会のために生きることが絶対条件ですが、カマキリの絶対条件はただ子孫を残すことだけにあります。

蟷螂の斧の故事となる、馬車に乗っていた荘公は、「このカマキリが人間だったら天下を取るのだろうな」と話したそうです。
衆院選が本日公示されました。各党の政策論争は、コロナで疲弊した社会を「ばらまき合戦」で立て直すことがメインで、拉致問題やもりかけ問題等、国民が解決したい問題に立ち向かうカマキリ人間がどこかにいないのでしょうか。