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スズランを今年も植えました。

今年も4回目となる、かごしま環境未来館主催の地域まるごと共育講座を当園で開催しました。
今年のテーマは昨年同様「幸せを呼ぶ、スズランを植えよう」でした。
当初は9月4日に予定していましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止により、本日に延期されました。
昨年参加され、貴重な体験ができたと、今年も参加された方も多く、植え付け作業も手際よくできました。
鹿児島中央駅から送迎バスで参加された女性は、ここなら3密を心配することなく、久しぶりに深呼吸しましたと喜ばれました。

新型コロナウイルスの感染者数が日を追うごとに少なくなってきました。このまま収束すればいいのですが、しばらくはウイズコロナの時代が続くのでしょう。
行動制限やワクチン接種も大切ですが、私たちに出来ることはマスク、手洗い、体調管理等、一人一人面倒くさい努力しかなさそうですね。

ヒガンバナが満開です。

今年はヒガンバナが例年より早く咲きだし、今が満開です。
ヒガンバナは不思議というより、謎の多い植物です。
一部の農業大学や研究機関には2倍体のヒガンバナが存在しますが、国内のヒガンバナのほとんどが3倍体のヒガンバナです。3倍体があるということは、どかかに4倍体のヒガンバナが存在するか過去に存在していたはずです。
3倍体は普通の2倍体が減数分裂できないまま受精して4倍体ができて、2倍体と4倍体が交配して3倍体ができるらしいです。
3倍体の植物は、種子ができない代わりに大きくて病気に強く繁殖しやすいという利点があります。
私はヒガンバナがはるばる海を越えて日本に渡来した理由として、観賞用としてより食糧として持ち込まれたと考えます。
ヒガンバナの球根は有毒ですが、毒抜きすれば食べることができ飢饉の時は食べられていました 。
そして、日本に持ち込まれたヒガンバナはその有毒性から、田畑、川の土手、お墓に小動物よけとして有益性があったことから、日本中に分球を繰り返し移植されたのでしょう。

繁殖力旺盛なドクダミ

ドクダミの葉っぱには、強い殺菌・抗菌効果があることは知られており、昔から生薬として重宝されてきました。また、ドクダミ茶は健康や美容に効能があります。
私はドクダミの独特の匂いは嫌いではないですが、多くの人はあの臭いが不快だといいます。ドクダミの白い花は葉っぱが変化したもので本当の花は花の真ん中にある黄色い棒状の部分です。
ドクダミは生命力の強い植物で、伐根しても少しの根が残っているとまた生えてきます。日陰で湿気のあるある環境だと、あっという間にドクダミだらけになってしまいます。ドクダミを駆除するには、熱湯、重曹、塩等ありますが、除草剤が手っ取り早いです。ただし、これらは他に植物がない場合で、ツツジの中や芝桜の中にはびこったドクダミにはお手上げです。

前回のブログでドクダミは三倍体植物と紹介しました。普通の三倍体植物は種子を作ることができません。ヒガンバナやシャガはその美しさと有益性から人間が生息地を広げてきました。ドクダミは地下茎の延長だけでは考えられないような場所にも育っています。人間や動物がドクダミの一部を移動しない限り生育できることはなく、受粉なしで種子を作れるみたいですがその仕組みはよく分かっていません。
受粉なしで繁殖しているということは、ソメイヨシノと同じクローン植物で、一般的なクローンは病気や環境の変化に弱いイメージがありますが、ドクダミはどんな雑草にも負けない強靭な植物です。

ヒガンバナとシャガ

今日は二十四節気の白露、季節は夏から秋に変わります。
当園のヒガンバナも咲きだしました。
ヒガンバナとシャガの共通点は、原産地が中国で帰化植物だということです。それと、日本に自生しているほとんどのヒガンバナもシャガも自分では種子を作ることはできません。何故かというと三倍体植物だからです。三倍体植物は遺伝をつかさどる染色体が三組あり、私たち人間も含めて普通の生き物の染色体より一組多いため、奇数だと染色体の細胞分裂が不規則になり種子を作ることができません。自然界では西洋タンポポやドクダミも三倍体植物です。
また、三倍体植物は種子を作るエネルギーを他に回すことができるために成長が早く、バナナは突然変異で生まれ、種無しブドウは人工的に作られた三倍体植物です。この人工的な技術で三倍体ニジマスも養殖され、サーモンの仲間という名前で美味しく食べられています。
種子を作れないヒガンバナとシャガは、その美しさと有益性から人間の力を利用して自生地を広げていきました。

ジゴクノカマノフタ

キランソウは万病に効く薬草で、別名「地獄の釜のふた」とも呼ばれ、死にかけた人もキランソウの薬効で病気も治り、地獄に通じる釜にふたをして死者を通さないことから由来しています。このことから「医者いらず」・「医者殺し」とも呼ばれています。
キランソウの花をよく見ると、花びらが1枚ずつ分かれずひとつの筒になっており、その筒の先は分かれていて、唇に似ていることから唇形花(シンケイカ)と呼ばれ、シソ科の植物に共通する特徴です。
キランソウの花は鮮やかな濃紫色できれいですが、繁殖力が強く、すぐにはびこり、私たちにとってはただの雑草でしかありません。

東京2020パラリンピックも昨日で終わりました。
開会式・閉会式や車いすラグビーも感動しましたが、私が一番感動したのは女子シッティングバレーボールチームの笑顔でした。特にキャプテンの西家さんは7月下旬の交通事故でまともにプレーできない状態なのに、笑顔でチームを鼓舞していました。涙腺崩壊でした。
将来iPS細胞の研究で、失われた体の一部やその機能を回復させることができるかもしれませんが、その日まで、障がいの有無にかかわらず、お互いに話し合い、助け合い、行動する「共生社会」が大事と痛感しました。

桂花園は今日も雨だった。

今年の8月は雨の日が多いでした。特にお盆の時期は毎日集中豪雨でした。
これも地球温暖化の影響でしょうか。
当園の樹木や草花たちも、もう水分でお腹いっぱい。もっとお天とう様のもとで光合成したいと訴えています。
こんな雨の中、当園のコケたちは元気いっぱいです。毎日雨に打たれ緑色が輝いています。

鹿児島でも新型コロナウイルスが猛威をふるっています。今週は毎日感染者が200名を超えています。今はどこに行っても感染のリスクがあります。3密がほど遠い当園では、ひとりだったらマスクなしで散策できます。ヒガンバナも咲きだしました。いろんなコケたちが来園をお待ちしています。

 

驚異の繁殖力 キオビエダシャク

キオビエダシャクの成虫を初めて見たときは美しい蝶々と思っていましたが、蝶々でなくガの仲間だそうです。
周知のとおり、キオビエダシャクの幼虫はイヌマキの葉っぱを爆食し、食害で枯れたイヌマキを散見します。
今年はキオビエダシャクが多く発生しています。原因は昨年が暖冬だったことが一因と思われます。キオビエダシャクは熱帯性の昆虫のため冬に死滅しますが、サナギで越冬できる能力を持った個体が増えてきたのでしょう。
キオビエダシャクの幼虫がイヌマキを枯らすほど増える理由は天敵がいないことにあります。キオビエダシャクの幼虫が食べるイヌマキやナギには「イヌマキラクトン」、「ナギラクトン」という毒性の物質があり、これを食べた幼虫も体内に蓄積されるため、このことを知っている野鳥がキオビエダシャクの幼虫を食べることはありません。
また、一般的なガの成虫は天敵から身を守るために夜行性ですが、キオビエダシャクは昼行性でしかもとても目立ちすぎる羽です。私には毒がある。’食べれるものなら食べてみろ’とアピールしているみたいです。
キオビエダシャクの幼虫を駆除するには薬剤散布しかありません。薬剤を散布する際に薬剤の希釈濃度を濃くしても効き目は変わりません。また、薬剤は成虫や卵・サナギには効きませんので、一回の薬剤散布で駆除することは難しいです。薬剤の種類によっては殺虫効果が長期間続くものもありますので、薬剤を購入時にお店の人に薬剤の特徴を聞くことをお勧めします。

 

北上するツマグロヒョウモン

芝桜を除草していると、ツマグロヒョウモンの幼虫を見かけます。
ツマグロヒョウモンの幼虫は、いかにもケバケバしく毒があるから触るなと威嚇しているみたいですが毒はありません。毒のある毛虫に擬態して天敵から身を守っているのです。
また、ツマグロヒョウモンの幼虫はスミレ類だけ食べるという不思議な生態です。
ツマグロヒョウモンの幼虫と成虫はギャップが大きすぎます。ツマグロヒョウモンは蝶々の一種です。漢字で書くと「褄黒豹紋」。オスの羽は全体的に黄色い豹(ヒョウ)がらですが、メスは羽の褄(先端)が黒いために「褄黒豹紋」と名付けられました。自然界では一般的にメスよりオスの方がきれいですが、ツマグロヒョウモンはオスよりメスの方がきれいです。
ツマグロヒョウモンはもともと熱帯性の蝶ですが、生息地を北上し続けています。理由は二つあるそうです。一つは地球温暖化、もう一つは餌が少なくなる冬季にも近年餌が豊富にあるようになりました。それは私たちが花壇に植えるパンジーとビオラです。

アジサイ 七変化

アジサイは別名「七変化」といわれるほど、咲き始めてから枯れるまで色が変化します。そして冬になってもドライフラワーとなって残ります。
その変化を楽しむのも風情がありますが、翌年も花を楽しむなら、早めに花を剪定してください。剪定するポイントは花から2~3節目の下で、よく見ると脇から新芽が出ていますので、その脇芽の上で剪定してください。剪定することでこの脇芽が伸び翌年も多くの花を咲かせます。
アジサイは成長が早く、大きくなりすぎた株は、この時期に3分の1まで切り戻すことをお勧めします。翌年は花が咲きませんが、翌々年は花を咲かせます。
アジサイの「七変化」を楽しむなら、アナベルという品種がいいです。北アメリカ原産のアナベルは、花色がつぼみのうちは薄い緑、咲き進むと白色に変化して、その後は再び薄い緑色になり秋まで咲き続けます。
普通のアジサイはこの時期に剪定しないと翌年の花の数は減りますが、アナベルは今年伸びた枝に花芽をつけるので、剪定の時期を選びません。

東京五輪まで2週間となり、新型コロナ感染拡大で観客数等問題が多発していますが、やがてはワクチン接種で集団免疫により収束するでしょう。新型コロナで私たちの生活も様変わりしました。様々な行事イベントが中止され、旅行や外食も激変しました。それでもリモートにより、満員電車に乗らなくても仕事ができ、育児や介護をしながら仕事ができ、学校に行かなくても学べることが分かりました。様々な事ができなくなったと嘆くことより、与えられた環境の中でその都度何ができるのかを考え行動するのかを、神様が試されているのではないでしょうか。
アジサイの花が七変化するように、私たちの環境も変化します。

アジサイといえばカタツムリ

梅雨といえばアジサイ、アジサイといえばカタツムリ。
アジサイとカタツムリを私たちは何げなく連想しますが、カタツムリはアジサイの葉っぱに毒があることを知っていますので、葉っぱを食べることはありません、ただ雨や風防止のために利用しているだけです。
人間もアジサイを誤食して中毒を発症したことは聞いたことがありますが、食べて死亡した話は聞いたことがありません。さすがにアジサイの葉っぱをサラダにいれませんが、季節感を出すためにこの時期葉っぱを食事の飾りに使われることがあり、それを食べた人が中毒を起こすらしいです。アジサイには毒があるといわれていますが、明確な毒性は解明されていないそうです。

カタツムリは動きが遅く行動範囲が狭いために、交尾相手に出会うことが少ないことから、交尾しなくても子孫を残せるように、オス・メス両方の生殖器を持った生き物になりました、これらの生き物を「雌雄同体」というそうです。
一匹のカタツムリは精子と卵子を両方持っており、交尾相手に出会うと顔の側面から恋矢(れんし)という槍(やり)を突き出し、お互いつき合い受精して子孫を残します。もし、交尾相手に出会わない時には、自家受精することができ、一匹でも子孫を残すことができます。
自家受精で子孫を残すこともできますが、交尾することでより優秀な遺伝子を持つカタツムリに少しずつ進化するらしいです。