キチジョウソウ(吉祥草)の名前の由来は、この草はめったに花を付けず、花が咲いたときは幸せが訪れるという吉事(吉祥)から名付けられたみたいですが、この時期に当園のキチジョウソウの群生をよく見ると、どの株も花を付けています。ということは幸せがいっぱい訪れるということでしょうか。
キチジョウソウは、ヤブラン同様に日陰にも強く面倒なメンテも不要で、グランドカバーには最適の多年草です。
但し、環境があえば、地中の茎がどんどん伸び、一面がキチジョウソウだらけになりますので、株分けが必要になります。
広いお庭をお持ちの方が、一面キチジョウソウだらけに育てると、この時期に幸せがいっぱい訪れます。
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ハガキノキを植えました。
タラヨウは、葉の裏を鉛筆等で傷つけると、傷がついたところが黒くなる性質があり、紙やハガキの代用になることから、「ハガキノキ」という別名があります。
実際にタラヨウの葉っぱに切手(定形外)を貼って宛名を明記して投函すると宛名先に郵送されます。
もともと、ハガキは「郵便の父」と呼ばれる前島密が、タラヨウの「葉に書く」から「ハガキ」を(ヒソカに?)考察したらしいです。そのことからタラヨウは郵便局のシンボルツリーになっています。
今秋、今まで当園になかった樹木を11種類植えました。
来園されるたびに新しい発見がありますように、これからも木を植え続けます。
今年も地域まるごと共育講座を開催しました。
本日、昨年に引き続き、かごしま環境未来館主催の地域まるごと共育講座を当園で開催しました。
今年は桜(ヤマザクラ、エドヒガン、ヨウコウ、カワズサクラ)と桂の苗木を参加者14名で植樹しました。
鹿児島市内から参加した主婦は、当園の広大さと樹木の多さに、市内でもこんな施設があるとは知らなかったと驚かれていました。
樹木医が木を植えるときに「何か」を一緒に入れると木は順調に育ちます。「何か」が分かる人はいますかと質問しました。
「水」、「良質な肥料」等ささやかれていましたが、全員分りませんでした。
答えは「愛情」だそうです。
その後、実際に植樹するときに、「愛情・愛情・愛情・・・」とつぶやいている人がいました。
しつこい、イタドリ
イタドリは山菜の仲間で、食用として活用されている地域があるみたいですが、私にとってはしつこい雑草です。
イタドリは侵略的外来種に指定されるほど、繁殖力旺盛な植物です。
当園のツツジやノカンゾウエリアで堂々と育っています。
伐根しても地下茎が少しでも残っていると、すぐに茎を伸ばしあっという間に花を咲かせます。
困ったものです。
また、イタドリはひざなどの関節の痛みに効能があるとして注目されています。
ひざ関節にお困りの方は、是非ご来園の上、イタドリを除草してお持ちかえりいただきたいものです。
「乾杯」
指宿スカイラインの川辺ICと知覧IC間の下り車線を走ると、我らが長渕剛兄貴の名曲「乾杯」のサビの部分が聞こえます。これは道路に溝がいくつも掘ってあり、タイヤが接触すると音が出る仕組みで、想像するよりはっきり大きく聞こえます。
10月1日より指宿スカイラインは通行料の改定があり、谷山IC~頴娃IC間は全区間走行しても大型車を含め100円になりました。
ちなみに、当区間は自転車も走行できますし、入口料金所が谷山ICで桂花園経由の出口料金所が谷山ICの場合も100円になります。
これから紅葉が見ごろになります。鹿児島市内から某そうめん流しに行く際は、指宿スカイラインを利用して、一瞬ですが「乾杯」を聞いてみてください。自慢になりますよ。
「生きている化石」イチョウとソテツ
10月に入り、暑さは続きますが、それでもヒガンバナは咲き、落葉樹は葉っぱが落ちています。季節は確かに秋に変わりつつあります。
当園のイチョウも葉っぱの一部が黄色に変わっています。
イチョウの横のソテツは、常緑のため1年中緑色をしていて、葉っぱはトゲトゲで、イチョウとソテツは全く違った容姿です。
このイチョウとソテツは同じ裸子植物で、陸上の植物はシダ植物→裸子植物→被子植物へと進化したらしいです。イチョウやソテツの仲間は恐竜時代から生き続けています。
イチョウとソテツの特徴は、精子をつくることにあります。
その仕組みは、雄花の花粉は、風に飛ばされ雌花に付着しその雌花の花粉室で数か月栄養をもらい精子に成長して、その後卵細胞まで泳いで受精するらしいです。
世界で初めて精子が発見されたソテツは、照国神社近くの公園にあります。へぇー。
お彼岸に咲くヒガンバナ
ヒガンバナは秋の彼岸の時期にいっせいに咲くことからヒガンバナと呼ばれたのでしょう。
ヒガンバナは普通の植物と違って、花が咲いたあと、葉っぱが伸びるサイクルで、花と葉っぱが同時に存在することはありません。そのために「葉見ず花見ず」とも呼ばれています。
多くの植物は開花時期を日照時間と気温から判断して決めているみたいです。
また、サクラの開花時期は、一定期間、低温にさらされることで眠りから覚め開花の準備を始め(休眠打破)、その後の平均気温の積み重ねで開花時期が決まりますので、各地で開花時期は違ってきます。
はて、ヒガンバナはどうして、彼岸の時期を知っているのでしょうか。土の温度でしょうか。そうすると土の温度の違いで各地の開花時期は違ってくるはずですが、何故か日本全国彼岸の時期にいっせいに開花します。土の温度というより、土の温度の変化を感じているのではないでしょうか。地中の高い温度から低い温度に変わった時から何日後と決めているのではないでしょうか。
ヒガンバナは毎日土の温度をチェックし、ヒガンバナの頭にあるカレンダーに開花日をこの日と赤丸をつけているのでしょう。
不思議なサイクルを繰り返すツルボ
ツルボは、春に葉っぱを出し、初夏に一度枯れます。
そして、また秋に葉っぱを出し花を咲かせ、冬に枯れます。
この規則正しいサイクルを繰り返します。
何故、初夏に枯れるのか、理由がわかりません。きっと真夏が苦手なのでしょう。
真夏を乗り越えようと思う根性がないのでしょうか。
近くでは、人や車に踏まれても元気なオオバコが育っていました。
ツルボにも雑草魂が必要です。
しかし、ツルボは決して自分を雑草とは思っていなく、スマートな植物に進化しているのでしょう。
派手すぎるゴンズイの実
ゴンズイは、樹皮が白黒の縞模様になることから毒針を持つナマズの仲間のゴンズイと似ていることから由来した説と、ゴンズイの木材はたき物以外に用途がないことから、釣り人泣かせの何の役にも立たない魚のゴンズイと同じだという説があります。
ゴンズイの花は普通の地味な花ですが、実は袋状になっていて秋に真っ赤に熟して割れ、その中から光沢のある黒い種子が1個か2個出てきます。
この実をひとつひとつよく観察してみると、黒い種子が1個の実は目玉おやじの色違いみたいで、黒い種子が2個の実は何とも言えないユーモラスな顔をしていてUSJのミニオンに見えます。
魚のゴンズイは流通していませんが、料理次第ではかなり美味しい魚らしいです。
樹木のゴンズイも何らかの活用方法がありそうな気がします。
ナンバンギセルを見つけました。
ナンバンギセル(南蛮煙管)は、その昔南蛮人と言われたポルトガル人やスペイン人の船員がくわえていたパイプ(煙管)に似ていることからナンバンギセルと名付けられたらしいです。
ナンバンギセルは植物でありながら、葉っぱがなく光合成を行うことができず、養分はススキなどの根に寄生して、宿主が光合成で作った養分を横取りして成長します。
ナンバンギセルは一年草で、秋に大量の種を風で拡散させて、新しい宿主に落ちた種だけが発芽して成長(横取り)します。
南蛮人が渡来する前までは、ススキなどに隠れてうつむくように咲く様子から思草(オモイグサ)と言われていたみたいですが、宿主に養分を横取りしてごめんなさいと反省しているように見えます。