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庭木の王様 モッコク

モッコクは庭木の王様と呼ばれています。それは、常緑の高木で成長するほど風格がでてくることと、葉っぱに光沢があることからだろうと思います。しかも、定期的にハサミを入れなくても樹形はそれほど乱れません。
ただし、葉っぱが混みあうと害虫がつきます。モッコクにつきやすい害虫はハマキ虫です。ハマキ虫は先端の葉っぱを丸めてすみかを作りその中で葉っぱを食べます。私はハマキ虫を見つけ次第葉っぱごと指でつぶしています。このハマキ虫の分泌物や糞をエサにすす病菌が発生します。すす病菌が繁殖すると葉っぱが黒ずんですす病になり、光合成ができなくなるため木が弱ってきます。害虫を予防するには風通しをよくするために定期的な剪定をお勧めします。
モッコクは夏に白い小さな花を咲かせ、秋に実が熟すと赤い実が出てきます。この実を食べに小鳥が集まってきます。
モッコクは1年を通し、人を楽しませてくれる、庭木の王様です。

地域まるごと共育講座が行われました。

今年も3回目となる、かごしま環境未来館主催の地域まるごと共育講座を当園で開催しました。
今年のテーマは「幸せを呼ぶ、スズランを植えよう」で、参加者全員で200株のスズランを椿山の歩道沿いに植えました。
南国鹿児島で耐暑性の弱いスズランが育つのか心配もしましたが、標高が高い当園ならでの環境を鑑みてスズランを植えようと決めました。
市内から参加された夫婦は、暑かったけどすがすがしい汗をかきました。スズランの成長を見にちょくちょく来ますと話されました。
春先に可憐な白い花を咲かせるスズランの群生を想像して、大切に手入れしていきます。

 

悲しきオスのセミ

明日は立秋なのに、晴天が続き猛暑の日々です。
こんな暑い中でも、指宿スカイラインをサイクリングしている人を散見します。先日も、サイクリングしている人が当園に休憩するために立ち寄られました。その人は開口一番「ここは標高400メートルだから涼しいですね」でした。

朝からうだるような暑さに、セミが大合唱し始めると、夏の風物詩というより、うんざりします。余談ですが、セミのメスは鳴かないことをご存知でしょうか。セミのオスはメスに気に入ってもらうためだけに鳴くそうです。セミの一生は、幼虫として土の中で7年、成虫は1週間(実際は1ヵ月)といわれています。長い地中暮らしの後、脱皮してからオスは交尾相手を求めて、短い生涯を知っているのか朝から全力で鳴き続けます。これも子孫を残す宿命ならば、オスセミを応援したい気もします。
しかし、よく考えるとメスセミは自分のパートナーをオスセミの鳴く音量で決めているのか、即決できないのか疑問です。一本の木に何匹ものセミがいっせいに鳴いていることがあります。この情景をメスセミはどう思っているのでしょうか。
その前に、オスセミは自分の鳴いている音はうるさくないのでしょうか。ファーブルは鳴いているセミの近くで大砲を撃っても鳴りやまないセミを観察して、セミには耳がないと断定した話は有名です。その後セミには頭でなくお腹に耳があることが分かったそうです。セミは耳が悪いのでなく、周波数で聞き分けているみたいです。大砲の周波数は認知できなくても、オスセミの鳴く音の周波数でメスセミはこの人(オスセミ)なら一緒になろうと決めるのでしょうか。
当園の春はウグイスがよく鳴いています。ウグイスにも上手に鳴くウグイスと鳴くのがへたくそのウグイスがいます。オスのウグイスはメスに気に入ってもらうために「ホーホケキョ」の鳴き声の練習をするそうです。セミにも鳴くのが上手なセミと鳴くのがへたくそのセミがいるのでしょうか。

 

山々を眺めながらランチ

当園内には、多くのテーブル・ベンチが設置してあります。
そのテーブル・ベンチはすべて手作りで、同じものはありません。
設置している場所も、山中、芝生、コケの上等ユニークです。
設置してある場所が違えば、そこから見える風景も違ってきます。見える景色が違えば、会話も違ってきます。ゆるやかな会話は癒しの心に繋がると信じています。
自分が気にいったベンチに座って、そこから見える山々を眺めながらランチするのもいいものですよ。

鹿児島県内でも、新型コロナウイルスの感染者が急増しています。なかでも、県外への移動歴がなく、感染経路が不明な感染者も増えています。
私たちができることは、手洗い・マスクの着用という基本的なことが大事と改めて認識しました。
しかし、私自身手洗いについては、毎回30秒かけて石鹸で洗うことは少ないです。マスクは、自分が感染しないために着用していましたが、マスクの意義は、症状がない人も感染している可能性があり、周囲の人に飛沫感染させないことだそうです。
新型コロナとは、長い付き合いになりそうです。3密を防ぐ究極は、家(部屋)にこもるか、人と接触しない場所で過ごすかです。散策型の当園は、人とあまり接触しないスポットです。
休日にどこに行こうか迷ったときは、お勧めスポットです。

 

ど根性 ハマユウ

ハマユウ(浜木綿)は温暖な海岸によく自生しています。暖かい砂地の環境がハマユウに合っていると思っていましたが、ハマユウの種は海水に浮かび長期間漂流して、たどり着いた浜辺で発芽して、自生したハマユウの種はまた漂流して、その繰り返しで広がっているみたいです。
ハマユウは常緑ですが、寒さに弱く冬の霜で悲惨な姿になり枯れ、春になるとまた葉っぱを出します。ハマユウはヒガンバナの仲間で、ヒガンバナのように寒くなる前に自分で枯れるという学習能力はないのでしょうか。霜枯れするまで、光合成をして成長しなければならないのでしょうか。
きっとハマユウは南方系の植物なのに、海流にのり漂流しているうちに霜のおりる北国までたどり着いたのでしょう。

女優に浜木綿子さんがいらっしゃいます。この人の人生は波乱万丈です。それでも息子さん(香川照之さん)を立派に育てられたことは、望んでもないところに流されても、たどり着いたところで発芽して、きれいな花を咲かせるハマユウのごとく、人を感動させます。

ねむの木の花を見て想うこと。

3月21日に宮城まり子さんが逝去されました。ご存知の通り、宮城まり子さんは、障がいのある子どもたちのために、私財を投じて「ねむの木学園」を創立して、長い間学園を運営されました。凡人の私には、ただ、ただ頭が下がる人でした。
ねむの木は、夜になると葉っぱがいっせいに合わさるように閉じて眠るように見えることから由来しています。この様子は人はみんな一緒だよと思わせます。

ねむの木を漢字で書くと合歓木になります。
指宿スカイラインの樋高展望台に、美智子上皇后が皇太子妃時代に詠まれた歌碑があります。
「薩摩なる喜入の坂を上り来て 合歓の花見し 夏の日想ふ」
東京品川に「ねむの木の庭」という、バラ(プリンセスミチコ)が有名な区立公園があります。ここはもともと、美智子上皇后が育った正田家の邸宅があつたところで、公園の名前の由来は、美智子上皇后が高校生の時作った詩「ねむの木の子守歌」からきています。
その後「ねむの木の子守歌」は曲が作られ、当時の大スターだった吉永小百合さんや梓みちよさんが歌いヒットしました。美智子上皇后は作詞著作権を障碍者支援団体に譲られています。

ねむの木はマメ科に属しています。マメ科の植物は、根に養分を作る根粒菌と共生しており、養分の少ない痩せた土地でも育ちます。痩せた土地に育ちながら、この時期にきれいな花を咲かせるねむの木の花は、人をやさしくさせる力があると想いました。

くちなしの白い花

昔、渡哲也さんが「くちなしのー白い花ーおまえのよおおなー花ーだあったーー」と歌っていました。この歌にでてくる「おまえ」は無口な人と想像します。
くちなしの名前の由来は諸説ありますが、秋に実が熟しても割れないことから「口無し」の意味で名付けられたみたいです。
先日、あるお客様から、栗きんとんに使うくちなしを植えたが、実をつけないと相談がありました。八重咲のくちなしは実をつけないと説明すると、じゃっとなーと驚いていました。
金木犀の花もいい匂いがしますが、金木犀の花よりくちなしの花の方が上品な匂いがします。白い花と上品な匂いでくちなしは存在をアピールしているみたいです。

大人も楽しめるブランコ

子供はもちろん、大人も楽しめるブランコを作りました。
場所はアジサイ園からシャクナゲ園に下りる休憩所です。
見てのとおり、ブランコの左右のロープの長さが違うことと、ブランコを結んでいるタブの木がたわむことから、ブランコは前後だけの動きではありません。そこが面白いです。
ブランコは「アルプスの少女ハイジ」のオープニングに登場する空中ブランコをイメージして作りました。「アルプスの少女ハイジ」は何年前のアニメだったでしょうか。歩けなかったクララが歩いたシーンは鮮明に覚えています。昨夜何を食べたのか思い出せないのに。

 

苔ワールド

シャクナゲ園は以前から苔が部分的でしたが自生していました。シャクナゲ園全体が苔に覆われたら、見る者を感動させられる空間になると思い、いろんなところから、いろんな苔を採取して、少しづつ増やしてきました。今では、シャクナゲ園のほとんどが苔に覆われた苔ワールドになりました。
雨の多いこの時期は、アジサイの花が見頃ですが、苔のみずみずしい緑色やモフモフ感が心の癒しとなります。

苔は、水分や養分を吸収する根がなく、葉や茎が空気中の水分などを吸収して成長しますので、何よりも湿気のある場所が大事です。しかし、苔は胞子で増え、胞子がたどり着いたコンクリートブロックや屋根瓦等、過酷な場所でも生きています。苔は晴天が続き空気が乾燥すると、色は緑色から茶色になり休眠状態になりますが、枯れることはありません。苔は最古から生き延びているど根性の生き物です。

当園は、大雨や濃霧の場合、休園することがあります。その時はHPでお知らせしますので、雨の日はHPで確認してから来園お願いします。

 

雨に映えるアジサイ

昨日、九州南部が梅雨入りしました。
雨に似合う植物はアジサイでしょう。
当園のアジサイ園は広くはありませんが、種類が多いのでその分楽しめます。今年はアジサイ園に通路を造りましたので、近くでアジサイの花を見ることができ、インスタ映えの写真が撮れます。

母の日のプレゼントといえばカーネーションでしたが、最近では鉢植えのアジサイが人気だそうです。鉢植えのアジサイの管理方法で大切なことは、水切れを起こさないことです。こまめに水やりができない人は、二回り大きい鉢に植えなおす事をお勧めします。それも面倒な人は地植えにすることです。また、来年も花を楽しみたい人は、まだ花が咲いていても7月までに花を切っておくことが大事です。

今日、色鮮やかな西洋アジサイが主流ですが、西洋アジサイはもともと日本のアジサイが原種です。日本アジサイを世界に紹介したのは、皆さんご存知のとおり、鎖国時代、医師として来日したシーボルトです。シーボルトはアジサイのことを「オタクサ」と名付けています。「オタクサ」とはシーボルトのお抱え遊女「お滝さん」のことです。シーボルトとお滝さんとの私生児がイネで、イネは日本初の女医で当時少ないハーフでかなりの美人だったそうです。イネの娘の高子は、松本零士氏の銀河鉄道999のメーテルのモデルとなったと言われています。

アジサイの花の色は、咲き始めてから花が枯れるまでいろんな色に変化します。アジサイの花の七変化は、それぞれの人生の縮図といったら過言でしょうか。